君を
繋ぎ止めることに必死だから、言葉を渡してしまう。君が返さないことを分かっていて、それでも伝えてしまうのは我儘かな。君が、私の体調がもう少し安定したら、なんて優しいことを言うから、私はそれに見合うように頑張りたくなる。本気の心配が嬉しかった。けれど目も合わせられなかった。体調が悪くなればなる程、私はそれを君に見せないように取り繕ってしまうから涙すら見せない。けれどたぶん、君は気付いてる。私の体調が酷いことにも、気付いてる。気付いているからこその仮初めなのだということに、私は気付かないふりをした。向き合わなかった。君の優しさを受け入れる余裕すらなかった。色んなことに敏感な私の心を、君はいつだって優しさで包んでくれているのに。だから、好きを伝えてしまう。伝えた好きが嘘にならないように、元気になりたいなと思った。私はもう、どうしようもないくらいに君が好きだな、なんて。昨日の時間を今頃噛み締めている。