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幸福を疑う
幸福を疑う気持ちも、受け入れられない気持ちも、それを認めてしまうことで、もしも私のすべてが壊れることに繋がるのなら。私はたぶん与えられることに違和感を覚えてしまうような人間だから、幸福を幸福として受け取っていいのかもわからない。私は私の幸福に、誰かがいることを幸だとは思うけれど、私がいなくてもその人たちは幸せになれるのだと、どこかで気付いている。私が誰かを、何かを、例えば未来を希望にしたら、報われない想いがあり過ぎる。私には私を幸せにする責任がある。けれど、幸せを感じる一方で、いつか離れゆく幸せを怖がるような私には、物事をありのまま、瞬間瞬間を愛することしか出来ない。だから私は、目に見えるものより心を動かす感情に重きを置いている。幸せになることで、過去のように落ちていくことが怖い。幸せになりたいと思えない自分が悲しい。今、私は幸せなのに。幸せなのに、失うことに怯えてばかりいる。過剰に大切にすることで、失わないように求めすぎないように泣いている。失いたくない。誰かの何かの特別にもなれずに、何もかも失いたくない。私は余りにも貪欲で、傍にいる人や物に感謝しているのに埋まらない心が苦しくて叫んでいる。けれど生きていくには言葉にするしかないから、私はいつだって詩を書いている。疑われた幸福の気持ちを考えられない私でごめんなさい。ちゃんと受け入れられなくてごめんね。手に入れて失うまでが人生の繰り返しなのだとしたら、私には生きることが不向きだなと思う。手に入れるということが、いつかの別れを意味するのなら、せめて失わないように大切にしたい。優しくなりたい、優しい人間になりたかった。何にもなれないなら、優しくありたかった。私は何だったんだろうね。
19/12/08 15:16更新 / 雨月 涙空



談話室



■作者メッセージ
幸せに臆病なんです。君にとっての私、と、私にとっての君は 違いすぎて、違いすぎるから欠けた部分を補うように、パズルのピースを組み立てるみたいに好きになったの。

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