ポエム
[TOP]
完璧なんて
完璧なんてないんだと分かっている。完璧になりたいと思っているわけじゃない。完璧になれると思える筈もない。けれど、もしも。完璧を願っていいのなら。私は、完璧に愛されたい。寂しさも孤独も生きていることも許してくれて、理由のない涙を掬ってくれて、頑張らなくていいって頭を撫でてほしくて、駄目なことをしたらなんで駄目なのかを教えてくれて、どうしたらいいかわからなくなったら一緒に考えてくれて、眠れない夜があったら不安がなくなるまで話してくれて、そうして、惜しみない愛情を注いでほしい。それを望むには余りにも大人になってしまったから今更そんな我儘は言わないけれど、ずっとずっと愛されたくて仕方ない。寂しさに擦り寄って、大丈夫じゃないのに大丈夫なんて言わせないで、どんな我儘でも叶えてくれる、魔法使いみたいなひとがいるのなら。私はそれに甘えてしまうのだろうか。許容範囲なんて考えず、好きなだけ笑って好きなだけ睡って、好きなだけ泣いて好きなだけ愛して。私だけに向ける愛があるのなら、それを赦してほしい。とめどなくあふれるやるせない想いを、嘘でもいいから大丈夫だと赦してくれたなら。いつの私も傲慢に不遜に笑えたのかな。それを願うには、随分歳を重ねてしまったから、今更、本当に今更言えはしないけれど。息をすることが当たり前だなんて思えずに苦しむ誰かが、不器用にでも生きられる場所があったならいい。私が笑っているとき、全然知らない場所で泣いてしまう誰かがいたのなら、その人の涙を抱きしめられる私でいたい。それでも、誰をも愛することは出来ないから、君を愛する私が、これでよかったといつだって笑えるように。共有出来ない痛みを共有出来る場所があったなら、それだけで救われる人がいるのかな。完璧なんてないんだと気付く前に、たくさん甘えられますように。
19/12/06 17:22更新 / 雨月 涙空



談話室



■作者メッセージ
伝えたい想いがありすぎて、指が止まらなかったです。まだまだ足りない。

いつも閲覧、投票ありがとうございます(^O^)/

TOP | 感想 | メール登録


まろやか投稿小説ぐれーと Ver2.35c