幸せを願われる
幸せを願われる、それだけの厚意が優しく感じる。私の心は涸れていて、もう何も響かないのではないかと諦めていた時があった。けれど、他人に、周りに余り期待をしないようになってからは、些細なことで喜べるようになった。些細な傷に、気付かないふりをするようになった。私はずっと子供で、大切なことを大切にしたまま大人になろうとして、心を壊して、それでもやめられなくて。寂しい生き方なのかもしれない。けれど寂しいことが悪いわけじゃない。こんな私でも、幸せを願われたら嬉しくなるから、だから、まだ大丈夫。壊れたから分かったことがある。壊れなければ気付けなかったことがある。だから私は私のまま、大切なことを大切に思うまま、死ぬまで生きていこうと思う。