私が好きなのは、ずっと君だけなんて、
好きな人を忘れたくて、その人とは違った私を好きになってくれる人を好きになったけれど、それで忘れられるくらいの想いではなくて、ただ悪戯に傷つけただけだった。ただ悪戯に傷ついただけだった。好きな人に好きな人がいても、私が本当は誰を好きか、それを1番分かっているのは私自身だった。ねえ、でもね、今更言い訳に聞こえるかもしれないけれど、本気で忘れられるって思っていたんだよ。想ってくれるから想い始めた、けれど私の方が好きになってた、それでも揺れてはいけないと思ったから終わらせたのは私だった。最低なことをしている自覚はあったけれど、それでも縋りたかったの。「忘れさせてみせますよ」なんて言葉に縋りつくくらいには、私はきっと寂しかったの。寂しいから擦り寄った恋の結末はあっけなかった。あんなに好きだったのに冷めるのは一瞬だった。ううん、違うわ、あんなに好きになってもらえたのはあれが初めてだった。だから体のいい言い訳に頼って、切り出した別れは一瞬で、私は今も好きな人が好きなまま、寂しくて仕方ない。だけど、好きな人が誰よりも好きだから、もう繰り返さない。寂しい気持ちより、愛しい気持ちが強いから、好きな人を好きでいる。こんなに人を好きになったのは初めてだと、あの恋を利用して気付く私はやっぱり壊れているのだなと、とても悲しくて、許しを乞うように好きな人を好きだという自分を私はまだ好きになれないの。それでも私はまだ君が好きなの。馬鹿みたいでしょう?馬鹿みたいに君を好きな私を、今より好きになれる日はくるのかな。