ポエム
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約束
一本の蔓草がめざめる
一人の男が遺書をかく

霧の夜
水滴の影のように
一本の蔓草は
おののきながら
花ひらく

夜のやわらかさにふるえる
男の耳朶
こんな空には
死ですらも病んでいる
何もない部屋
古い木の机と

沈黙 それから
いくつもの
とおい太陽の死

男は頭痛の岸に
一そうの船を漕ぎつける
そんな約束だった
男はうなずく
たしかにそんな約束だった


22/12/12 13:40更新 / もず



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