約束
一本の蔓草がめざめる
一人の男が遺書をかく
霧の夜
水滴の影のように
一本の蔓草は
おののきながら
花ひらく
夜のやわらかさにふるえる
男の耳朶
こんな空には
死ですらも病んでいる
何もない部屋
古い木の机と
壁
沈黙 それから
いくつもの
とおい太陽の死
男は頭痛の岸に
一そうの船を漕ぎつける
そんな約束だった
男はうなずく
たしかにそんな約束だった
一人の男が遺書をかく
霧の夜
水滴の影のように
一本の蔓草は
おののきながら
花ひらく
夜のやわらかさにふるえる
男の耳朶
こんな空には
死ですらも病んでいる
何もない部屋
古い木の机と
壁
沈黙 それから
いくつもの
とおい太陽の死
男は頭痛の岸に
一そうの船を漕ぎつける
そんな約束だった
男はうなずく
たしかにそんな約束だった