捨てる事が出来る人間だった それだけさ
必要ない たった一言で消えてしまう
そんなモノに価値を感じたくなかった

どうとでも なんとでも そうだろうさ
鈍いな 胸に痛みが走る時はいつもそう
ああ なんだ その程度の繋りだったのかって

捨てるさ 寂しさも悲しさも丸ごと
どうせ思い出として食い込んで離さない
私を譲れないから 私は変われない

残って苛まれて それでも結局は乗り越える
ありがとう 忘れない そんな簡単な言葉と共に
捨てて 捨てられる どこまでも残酷に

胸が痛いな 何にも入ってないのにな
空っぽだ 捨ててるんだからそりゃそうだ
無痛が痛い 無音が煩い 安堵が不安を呼ぶ

私は捨てれる人間だった たったそれだけ
捨てた分だけ広がった穴を埋められなくとも
それら全て乗り越えて終える そんな人間

ああ 寂しいな 風が緩く抜けていく 胸の音

■作者メッセージ
どうせ、乗り越えてしまえる痛みが寂しいね
それだけはどう足掻いても捨てられないね