叶わない恋と知って
思い知って廊下で吐血

銃で撃って
打ちのめして私の心臓
この身の程知らずな知能
「私は何の為に生まれたの……？」

夢の中で魔女が嗤う
真赤な林檎に鉛をかけて召し上がれ
救世主は空の彼方
急性疾患で空の彼方


「来世の存在を知った上で敢えて」
この世界が終わる前に
もう一度あなたの横顔を眺めたい


「なんでいつも右手で顔を覆うの？
世界が右側から襲ってくるの？」


黒猫が通り過ぎたときも
あなたのことを思い出した
「銃で撃ったあの感覚を
この猫に重ねてやろう」と

家の金魚鉢を蹴飛ばして
君んちの屋根吹っ飛ばして
世界を見せてあげる
特別な夜に

レヴィナスに酔う
赤い目をした寝不足の私
世界の一滴もまだ知らないのに
世界に涙を流す馬鹿



「寒いの 寒いの
誰にも言えないけどいいの
想いはそっと閉じておくの
その内に過去になって
段々私を消してくの

………そんな日を楽しみにしてるの」