18
〈地獄〉
何もうまくいかなくて
泣いてたけど何も得なかった
花は知らん顔で咲いていた
涙なんか夢見たい人が流してればいい
昨日の私はどうかしていて
今日の私が本当の私
そう信じれば少し気が楽
今は誰も信じない
金曜日に書いた詩を
土曜日に読み返して日曜日に捨てた
過去なんて思い出すもので
背負うものでもないし
大事に抱えるものでもない
そう思わなきゃいけない過去しか
私には残らなかった
私は私を もうこれっぽっちも好きじゃない
朝焼けの中居座る星を
ひとつひとつ噛み殺す
奥歯で消えた光の粒
そうやってひとつひとつ希望も消えてく
〈天国〉
君の歌をうたう
君の感情で君の衝動で
もう私は私でいられない
だからもうなんだっていい
どこへも行ける
どこまでも行ける
考えなくていい
私の中には私しかいない
また朝が来る
平然は制服と共に装われ
また私は歩き出す