ポエム
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綴るだけで 夢の中にいれたあの頃は
真赤なバラのつぼみに沈み込むように

堕ちてゆく夜 冷たく細い月が

新品の白い靴をふかふか踏み鳴らしながら

君と歩く夜 丸くクラゲのような吐息が

流れるように消えてゆく一日の始まりに

ベッドに波打つシーツ 半分消えた昨日のわたし

こもった声で名前を呼ばれる 心を両手で包み込まれるように

引っ張られた左手をしばらく眺めて 温もりを確かめた

風の輪郭をなぞるように 地図を探す君の指先

目的地は海の底 月の光を届けに行くために


つまらない話に大笑いした日

君の肩で大泣きをした日

全部が全部 花の名前をつけて栞にできる


手に触れられない星々を 写真に撮ってノートにはさみ込む

そうして堕ちてゆく夜

蛍光灯に照らされた果実に唇を寄せる

インクをノートに散りばめて 言葉遊びに興じている

道を決めずに飛び出して 君と一緒に遊びたい

触れられなかった星を 虫とり網で集めてランプにしよう

明日のことは考えず 君のことしか見ていない

メールの件数は溜まるばかりで

君からのメッセージは未読のまま

本当は私は ずっとバラのつぼみの中にいたのに
19/01/30 00:00更新 /



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