ポエム
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紙飛行機
4階の窓からひらひらと私の明日が落ちて行く。飛び方の知らない私は、恰も盲目であるかのように、それを追いかけた。無我夢中に、貪欲に。



何かをしながら文字を並べる。文字も何かをしながら私を語る。何も完全でないこの世界で、私は言葉に身を寄せる。そんな私を、私はもうこれっぽっちも好きじゃない。

チョコレートも太陽も、私の宝物。でも私を壊して行くもの。時々開けて確かめる。ここにある、ここに帰れるという居場所だから。

居場所は私をダメにする。

空き缶みたいな星が見える夜、埃みたいな言葉で歌う。もう誰も私に耳を傾けたりしない。もう誰も、私に明日を望ませない。

でも私は気づいてる。
手を伸ばしたその先は、不透明かつ不可視の未来。言葉も記憶も通用しない、深く呼吸を奪う孤独。

聞こえてくる君の声を頼りに、私は私の言葉を抱えて走る。どこへ繋がるかもわからない道を、訳もわからず、貪欲に。



いつか知らぬ間に辿り着いた、ありきたりな景色に馴染んでゆく。でもそこには君はいない。私もいない。………はず。


………………

4階の窓から君の街を眺める。

今、私たちの昨日にぴったりな、ニーチェの言葉を飛ばすから。紙飛行機の翼に乗せて。



走り、転び、踊らされ、転がされた傷だらけの私たち。

今なら飛べる。

どこまでも、どこまでも飛んでゆける。

落ちたりなんかしない。

落ちるもんか。この野郎。



16/12/18 21:05更新 /



談話室



■作者メッセージ
どこまでも飛んでやる。

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