ポエム
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ピエロのオルゴール
祖父の部屋には古いオルゴールがあった

音楽に興味がない祖父には
あまりにも似つかわしくない
バイオリンを弾くピエロのオルゴール

かち かち とネジを回すと
柔らかな音を弾きながら
くる くる とピエロも廻る

幼い頃の記憶なのに
今でも印象に残っているのは

祖父への意外性だけでなく
それがとても大事に飾られていたからだろうか

「君に幸せあれ」と
奏でるピエロの持ち主は

今は亭主関白の尾を引きずり
祖母の恨み辛みに口をつぐむ

送り主であろう祖母と
持ち主である祖父と


あの優しい音色だけは
大人になった私の中で
今も変わらず鳴り響いている
19/10/31 22:14更新 / みさき



談話室



■作者メッセージ
現実に存在するもので変わらないものなど、ないのかもしれませんね

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