ピエロのオルゴール
祖父の部屋には古いオルゴールがあった
音楽に興味がない祖父には
あまりにも似つかわしくない
バイオリンを弾くピエロのオルゴール
かち かち とネジを回すと
柔らかな音を弾きながら
くる くる とピエロも廻る
幼い頃の記憶なのに
今でも印象に残っているのは
祖父への意外性だけでなく
それがとても大事に飾られていたからだろうか
「君に幸せあれ」と
奏でるピエロの持ち主は
今は亭主関白の尾を引きずり
祖母の恨み辛みに口をつぐむ
送り主であろう祖母と
持ち主である祖父と
あの優しい音色だけは
大人になった私の中で
今も変わらず鳴り響いている
音楽に興味がない祖父には
あまりにも似つかわしくない
バイオリンを弾くピエロのオルゴール
かち かち とネジを回すと
柔らかな音を弾きながら
くる くる とピエロも廻る
幼い頃の記憶なのに
今でも印象に残っているのは
祖父への意外性だけでなく
それがとても大事に飾られていたからだろうか
「君に幸せあれ」と
奏でるピエロの持ち主は
今は亭主関白の尾を引きずり
祖母の恨み辛みに口をつぐむ
送り主であろう祖母と
持ち主である祖父と
あの優しい音色だけは
大人になった私の中で
今も変わらず鳴り響いている