ポエム
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おわかれ
ある朝、目が覚めたら
外はすでに明るくて

いつもは厳しいおばあちゃんが
優しい声でこう言った

「起きたんか?今日はね
学校行かなくていいんよ」

お腹もすいたし
目をこすりつつ
パジャマで居間に行ってみた

そこには
口を真一文字に結んで
おかあさんのお化粧をしている
二つ年上のおねえちゃんがいた

ほどなく、
次から次へと
人が来た

「大きくなったなぁ!!」
抱き上げてくれる叔父さん

「おいで」
休みなのに制服に着替えさせ
三つ編みにしてくれた叔母さん

そして、見た事もない
お兄さんとか、お姉さんとか

みんな何故かとても優しくて
ずっと遊んでくれていた
だから笑ってなくちゃ
と思ってた

「さぁ、おわかれしてきなさい」
おばあちゃんに頭を撫でられ

おかあさんの顔を
ちゃんと見た

割れた地面から噴き出したように
大声で泣いた

皆もつられて泣いている

8歳の秋だった
21/05/28 21:56更新 / そら



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