ハウスのプリン
私の大好物だった

母が元気な頃
一箱を作って
丸ごと冷蔵庫で
冷やし固める

待っている時間は
気もそぞろ

読めない時計を
何回も見ては

まだかなー？と
母のエプロンを引っ張る

今入れたばかりでしょ
何回も冷蔵庫開けないの

呆れながらも
優しく微笑む母

そうしてプリンは
４等分にされる

ちゃんと同じ大きさ
になってるかな

息を飲んで
母の包丁を見守る

大袈裟ではなく
この世で一番の
ご馳走だった

小学1年の
国語の時間

お風呂いっぱいに
ハウスのプリンを
作ってかためて
そこにドボンと
飛び込んで
おなかいっぱい
食べたいなぁ

そんな感じの
作文を書いた

先生やみんなに
笑われた事は
言うまでもない

■作者メッセージ
読んで頂きありがとうございます
久しぶりに食べたプリンは
私を子供の頃にタイムワープさせ
カラメルがほろ苦く感じました