ポエム
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おさまってない【短歌10首】
「おさまってない」

ポケットにもぐって暖をとっていた両手おのずと出てくる春は

メニューとはちがう気がする春野菜パスタ見比べあきらめがつく

見本より色あせているパスタだが味はおおむね差し支えない

この人にも家族があるんだろうなあと想像させる顔の店員

無着色ながら真っ赤なケチャップをつけてポテトを無意識に食う

耐えているみたいな顔の男から目をそらす、また見る、耐えている

支払いを終えたら外の強風がおさまって、いや、おさまってない

均等な間隔をおいて植えられた黄色や赤に将来はある

若者の味方だという顔がもうしんどくなって背中が痛い

見通しのよい地点から沈む陽を見ていたずっとこうしたかった
18/08/12 13:08更新 / 工藤吉生



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短歌10首

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