ポエム
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【短歌】レーズン岩
「レーズン岩」

税抜きにすれば安いが税込みになればそうでもない工藤です

なんのツボなのか忘れた親指と人さし指のあいだ揉みこむ

レーズンの埋まったパンはガキのころさわった岩を思い出させる

雑念というのはオレが普段から寝起きしているぬかるみのこと

木の棒につらぬかれてる塩辛いさかなも食べたお別れの会

文字だけでこんな光の感触を描けぬものかと思いつつ踏む

アンパンマンアンパンマンと呼ぶうちに泣き声になりエンベンメンベン

収容所ゆきの列車のことなんて思いつかない満員電車

信じられないし信じたくもないと歌うおんなのこえ聴きながす

たこあしのように出口のある駅の未知のいっぽん近道だった
17/12/03 17:15更新 / 工藤吉生



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■作者メッセージ
短歌は57577。季語はいりません

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