ポエム
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背中
この背中を私は忘れないだろう
あの日、ふと思った
何気ない散歩の途中で

赤いチェックのワンピースに赤いサンダル
歩き始めたばかりのぷくぷくとした腕や足

もうずいぶんとたつのに
はっきりと覚えている

なぜあのうしろ姿を、あの背中を、鮮明に覚えているのだろう

たくさんの記憶がある中で、時々ふいに現れる背中

隣では、娘が笑顔で運転をしている
自信に満ちた笑顔
たくさんのことを乗り越えて、やっと現れた笑顔

もしかしたら…
あの時、私は「母」になったのかもしれない
この背中が大きくなるまで、必ず守ってみせる
そう覚悟した瞬間だったのかも…

娘の背中は大きくなり、しっかりとした足どりで、一人で、歩き始めた

お互い、笑顔がこぼれる

未だにあの背中はふいに現れる

そしてこれからもずっと現れるのだろう
24/11/23 13:23更新 / 水瓶の中で泳ぐ



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