ポエム
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風のおしゃべり
風が吹く。
遠くのどこかの森から。湖から。

目を閉じて
大きく息を吸い込むと
目の前に森が広がる。

その森で迷ってしまったあなたを助けたい。
私はここにいるよ。
どこからともなく声を送って
あなたを導きたい。

君の代わりは誰もいない。
わたしの代わりも誰もいない。
向かい合ったそのとき
真実が明らかになる。
あなたは、頑張っていたと。 
君は、十分頑張っていたと。


風が吹く。遠くの国から。砂漠から。

目を閉じて
大きく息を吸い込むと
目の前に星空が広がる。
その星々は何を発信しているだろう。
君を助ける方法を、
わたしを救う方法を。
いつも伝えようとしているのだろう。
どうかその思いよ
君のもとへ届いてほしい。
わたしは受け取ったよ。
夜の静かな風にその思いをのせて送るよ。

目を閉じたとき、いろんな景色が脳裏をよぎる。
そのとき心地よい風が体を包み込むと
まるで湿原の中に佇んでいるような気分に。
思いっきり鼻から空気を吸い込んで、
体を巡って口から吐き出される空気は
また風に乗って浄化されていく。

そんな繰り返しが
日々の空気を作り出す。
空気はおいしい方がよい。
空気はめいっぱいおいしい方がよい。
20/07/08 01:45更新 / こみやび花穂



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