ポエム
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軌跡と涙
どうしたの
そんなに泣いて
大丈夫

誰かに聞かれたら
わたしは

過去について話し始める
友達と行った旅行
星を見に行った冬
寒い外の空気を部屋の中に
入れるようにテラスで
写真を撮る友達に苦笑したあの日

真っ暗な夜の中
人が全くいない駅で降りて
ひっそりと立つ神社に恐る恐る
お参りした友達との記憶

どれも記憶の一部

まだ明るいのにどこも閉まるのが早くて
カフェでずっと将来のことについて
語ってたあの日
わたしはあのとき願ったことが一つ叶ったよ
ほかにもたっくさん語って
なにが叶ってるのかなにが叶ってないのか
もう分からなくなってるよ

それでもあの記憶が
もう忘れてしまった記憶が
わたしを支えているってことだけはわかってる

どうしても?
どうしても、楽しかったあの日は過去になってしまうの?
どうしても?
苦しかったあの日は過去になっても心の傷として残ってしまうの?

涙が溢れて止まらないよ。
ジブリのオルゴール聴きながら
鼻を詰まらせて泣いてる、1人の女の子。

どうしたの
大丈夫

わたしは返す。
この記憶たちを
忘れてもいいから
人生の歌詞に乗せるのよ。
いつまでも残るアルバムのように
それは私を彩る軌跡
21/09/15 01:02更新 / こみやび花穂



談話室



■作者メッセージ
夜ってなんだか切なくなります。。

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