ポエム
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泡沫 〜それは儚くも消えないモノ〜
今年もお祭りが始まります。


あなたと一緒によく行ったね



浴衣を着てわたしは出掛けます。



花火がうちあがった。


虹色の火花、とってもキレイ。



ねぇ、見てみて、キレイだよ。


そう言って隣をみる


あなたはそこにはいない。



滲む、景色。

遠くなる、音。


ダメだ、やっぱりわたし。



カランコロン、カランコロン。


自分の歩く音だけが、耳に響く。



好きだよ。




ぽつり、呟いた。


泡のように消えていく言葉。



滲んだ景色が、さらに滲んだ。



気持ちが、溢れて。




ポタリ、ポタリと足元に落ちていく。




届かないと分かっていても。




もう会えないと分かっていても。



あの泡沫のような、記憶が。



消えてくれない。




ーーー消えてくれない。




会いたい…………






   会いたいよぉっ!!!!!







ーーーーーわたしは花火の音に紛れて



          気持ちを叫んでいたーーーーーー


20/01/17 15:58更新 / 蜜柑



談話室



■作者メッセージ
彼と別れて一年後の夏祭り。

あなたの居た風景をなぞって嗚咽を漏らす。

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