ポエム
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隠しもの
今日は外、寒そうですね

空の色
窓に触れる空気のつんとした顔で
本当の冬が来たってわかるよ

コートを着て
お出かけしたいな
手袋つけて
寒いねって言いながら
白い息だ、って笑ったりして

幼かった頃
祖母と歩いた道
最近思い出すの

周りに散らばってるもの全て
愛おしくて仕方なかった
露に濡れた落ち葉
アメリカフウの果実
祖母の笑顔
わたしの笑い声

祖母と散歩したその道は
今はもうなくなって
コンクリートの立派な道が
胸を張って通っている

春になったらたくさんの
小さな青くてかわいい花が咲くその道は
永遠にわたしの胸の中

でもね
わたしが忘れてしまう時
あの道はもう
本当に無くなってしまうのかな

記憶がなくなってしまうこと
なにもわからなくなってしまうこと
今はそれがとても怖いの

誰かが消えてしまう時
その人の大切な思い出は
どこに行くんだろう

大切なわたしの
この思い出たちは

忘れてしまう前に
そっとこの世界のどこかに
隠してしまえたら

24/01/22 00:42更新 / める



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