強い風が吹く冬の夜
いつも思い出すの

わたしたちが引っ越す前のおうち
布団を並べて寝てた夜
お母さんが真ん中で
わたしと妹に絵本を読んでくれてた

わたしの冷たい足先が
お母さんの温かい足にふれて
もう、足冷たいよっ
ってお母さんが言う

わたしも！って妹が
冷たい足をくっつけて
冷たいよって言われると
きゃあきゃあ嬉しそうに喜んでた

外は風がびゅうびゅう吹いて
まるで絵本の中の違う世界みたいだ

風強いね、寒そうだね
そう言ってたわたし達は
寄り添ってとても温かかった

今ではそんな幸せな夜が
絵本の中みたいに遠くて
懐かしくて心の中が温まって
心のひびにじわりと染みて

ビルの間から見える月が
ひとりじゃないよって
言ってるのかな

幸せだったあのころの
ふと思い出す思い出で
大切なものを思い出す

そんなわたしは、幸せものなのね