ポエム
[TOP]
覚めた夢のような加速度で遠ざかっていくもの
猫が鳴いた。
にゃあ、と鳴いた。
君はいなかった。
確かに居なかった、ような気がした。

蝉が鳴いた。
ジ―ジ―と鳴いた、
君は居なかった。
出かけてくる、と言っていたから。

ホトトギスが夜いっぱいに
涼しく鳴く午前四時の朝ぼらけ。
日暮らしの鳴きはじめる前の
シン、とした一瞬の空白に
朝焼けの透明な空が呼応して
神々しいまでの原風景が何か言ってる。

何を言っていたのだろうか‥
君はここに居たのかいなかったのか
22/07/12 23:27更新 / masaki



談話室



TOP | 感想 | メール登録


まろやか投稿小説ぐれーと Ver2.35c