息吹きかける様な
かけつぎの魔法があるなら
オセロ盤の佇みにさえ
触れる肩先が内緒のままね
だって恋の果実で拠り所もないもの
オレンジの傘がくるり
俺とシャンデリア
隙間の曇り

街は首振るばかり
優しさは出先
タイヤをよじ登り眺める
君の爪を薄ら汚すインク


スプーンに朝を集める
昨日エイズだって知った様な
浮腫む天使の寝顔にはほら
眩しい裏切りがある


固まってあのサインを出したら
あいつは死んじゃうんだから

いつも黄昏の切れ端
電車の音で聞こえないよ


明日を乗せたテープで
君をずっと抱いてた
駆け抜けた荒目の録画で
あなたは滑走路に寝そべる


この手を広げてみる
昨日死んだばかりの様な
胸の水槽の膨らみにほら
眩しい酸素がわたる
スプーンに朝を集める
昨日エイズだって知った様な
浮腫む天使の横顔にはほら
眩しい裏切りが伝う


眩しい裏切りがある