ポエム
[TOP]
急須の魔人
「はあ… 今日も勉強か」

浪人生の拓也は、実家から数分の予備校に通いながら帝都大学を目指していた。

だが模試の判定は厳しく、講師から志望校を変えてはどうかと打診されているところだった。

今日は予備校の授業は休みだが、そういう日には自習室で勉強することにしている。


「今日は家で勉強するか」

奈落への始まりだった。

拓也はまず調子を整えようと、急須にほうじ茶のパックを入れてお湯を注いだ。

すると唐突に、数日前にテレビで見た、アラジンと魔法のランプの話を思い出した。


拓也「こうやって擦ったら魔人が出てきたりしてな…。まあランプでもあるまいし」


???「呼ばれて飛びててほうじティ☆#♪」

拓也「!?」

なんと、急須から魔人が出てきたのだ。

拓也がおどろき戸惑っていると、間髪入れずに魔人は続けた。


魔人「君の願いを一つ叶えてあげよう!さあ、願いは何だい?」

拓也「いや、まだ状況が飲み込めてないんだけど…どうしようかな」

魔人「あと5秒で消えるぞ!」

拓也「えーとじゃあ…帝都大学に受かりたいです!」

魔人「いいだろう。じゃあ、合格を祈るよ!」

ボンッ!という音とともに、魔人は煙と化して消えていった。

すると煙の中から… 大量の参考書があらわになった。


拓也「えぇ…」


おしまい
23/04/04 19:28更新 / タフル



談話室



TOP | 感想 | メール登録


まろやか投稿小説ぐれーと Ver2.35c