ポエム
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後悔螺旋
きみを構成する、すべてのものを愛していたよ。ぼくに散りばめられた細胞が、君と、なにひとつとして同じものなんてないくせに、外枠だけはそっくりな形で生まれてきたことを、喜んでいる。似ていても、どこか違うのは、こんなにも寂しいのね。僕と、君、重ねて混ぜて水で薄めたら、どんな色になるんだろう。
あとで悔やむ、現在進行形でも後悔って呼ぶのか、ぼくには到底分かりっこない。ぼくがきみとは別なこと、よる眠るために羊が出てくるのと同じだと思う。ねむる、スリープ、シープ、ひつじは柵をとびこえて、めぇと鳴く。寝て、起きて、眠って、目が覚めて、っていうのをなんにも疑わず。僕は生きている。
ちいさな後悔が、しんと静かに降り積もって、見上げたら首がいたい。ぼくらがちがういきものだって、2種類のケーキを半分ずつ食べられるって思えば、そんなに悪くないことだよ。それをしあわせだって言ってたきみの、困ったような笑顔が大好きだった。睫毛のうえに降りてきた、ちいさな結晶を、遠くにいるきみにも見せてあげたい。
18/06/25 00:11更新 / 暮月



談話室



■作者メッセージ
しあわせの価値なんてひとそれぞれじゃないですか。押し付けんじゃねーですよ、ばーか。

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