ポエム
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数多有る出来事について

海の向こうで戦争がはじまった
実感を伴わない事実は、それが終結を迎えても同じことだった
空の向こうで太陽が燃えている
刻一刻と体積をすり減らしていくそれも、なんら知ったことではなかった
海の向こうで戦争が終わった
さっきも言ったことだけれど、なんでもないことだった
遠い昔、人間が生まれた
彼らには何にもなかった、なんだ、なんら変わっちゃいないじゃないか
北海道で人が生まれた 沖縄で人が死んだ
隣町で殺人事件が起きた 隣の家には暖かな家族があった
実際は、何らしったことではなかったんでないか

この時代の象徴――いつの時代をも象徴している
普遍性の一つ 
いつだってこれが大方の感想だった
無関心 無関心 無関心

今日も世界は僕の知らないところで回ってる


(この頃の出生率は一人当たり2.4人
そして年に大体5500万人ぐらいが死んでるらしい―――2021/04/03)
21/04/04 03:42更新 / kouya hijiri



談話室



■作者メッセージ
村上龍氏の小説のタイトルより

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