ポエム
[TOP]
峠道
段々と軽くなっていきます
峠道を踏みしめるたび
からだの破片が落ちていく

峠を越えるたび
峠の風にあたる
乾いた皮が取れていく
だから歩いていくのでしょうか

理由はありませんでした

峠道は曲がりくねって続いています
泥の道も岩の道も根の道も
重なっている

吐く息を捨てながら
何を取り込んでいるのだろう
辿りつかないといいと思っていました

いつのまにか樹木の匂いがして
さまざまな音に溢れています
音を聞くことが出来るようになれたのでしょうか

よく解りません

峠道は流れる雲に洗われて
どこまでも、どこまでも、踏まれている

伝説の生きものの背の如く
20/05/09 16:39更新 / KIKI-TA



談話室



TOP | 感想 | メール登録


まろやか投稿小説ぐれーと Ver2.35c