ポエム
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ミルクティー色の少年

たまに夜中に飲みたくなる 
ミルクと砂糖たっぷりの甘いミルクティー

カップに浮かぶ やさしげな茶色を見ると思い出す
似た色の髪をした男の子
好きなのにはずかしくてあまり話せなかった あの男の子

彼の好意を受け止めるには
私はまだ幼すぎて

元気かしら 仕事はなにしてるのかな
素敵になって彼女もいるかしら

ミルクティーからのぼる
ゆらゆらとした湯気の向こうに
彼の姿をぼんやりと思い浮かべる

それは10年以上も前のこと
風の噂で元気でいることを聞く程度

SNSで探すなんて野暮なことは しない
だって私の大事な 思い出
私だけの大事な 秘密

彼氏にだって 絶対内緒
「ミルティー飲んでる時、なんかニコニコしてるよね」
なんて言われても 「そう? 思い出し笑いかな」って
大人な受け答えでサラッと流す

そう 私は大人になった
甘いミルクティーは必ずひと口残してしまう
それが大人になった証であるかのように

そしてまた私は
しばらくたつとミルクティーを飲んでは
静かに微笑む
21/08/11 20:06更新 / こなゆき



談話室



■作者メッセージ
秋に浮かんだタイトルの詩を 真夏の今、書きたくなると言う人生の不思議

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