ポエム
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季節の一つ先
社会は季節の一つ先に
人々を向かわせる 否応なしに
まだ8月なのに
栗味のアイスとかが
スーパーの冷蔵ケースに顔をのぞかせる

しかも9月になっても全然まだ暑いからな
そんなことは どこ吹く風よ というやつを
今日も見つけたよ
お前だよ!
口に栗のアイス突っ込んでるお前だよ!
好きなものを食うのはいいけど
ひけらかすな!

そんなにせっかちだと
もう来年のことを考えてしまう
子どものときは毎年
自分の誕生日が楽しみだったのに

今は全然話が違う
きっと今年もパッとしない1年が
灰色の積み木になって
寿命という器を見たしていく

しかも寿命というのがまた
例えば来年も生きてるかなんて
そんな保証はどこにもない
でも保険会社のお姉さんたちはそう思ってない

会社が損をしないとこまで
ちゃんと金を払って
死んでいく人が多いってだけで
人生100年時代とテレビは文句を謳う
そしてその言葉が今日も
耳にどかどか土足で入ってきたよ

それが靴についた泥やら砂を落としていくから
音楽がよく聞こえない
この世の奇跡がよく聞こえない

明日死ぬかもしれないのに!
それは誰かの食い扶持のせいだ!
25/08/26 00:15更新 / 南米こむすび

■作者メッセージ
西部戦線異状なしって本が面白い
兵士の主人公が実家に帰るとこが感動する
戦時中で食べ物がないのに お母さんが息子のために 自分が食べるのを我慢して ビスケットとかジャムを用意してるのよね

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