枕の隣
僕はこの世界に絶望していた。
なんにもないある朝、突然くしゃみが出て鼻をかもうと思った。
部屋にはティッシュ・ペーパーの箱が一つもなかった。
どこかにあったはずだが、見当たらなかった。
部屋の中を探してみる。
テレビの裏にあるかと思った。
机の下だろうか?
それとも本棚の本の間だろうか。
探し回っても、見つからない。
僕は探すのにも疲れて、ベッドに横たわろうとした。
突然、昨夜ベッドの枕の隣で鼻を噛んだ記憶を思い出した。
ティッシュ・ペーパーの箱は果たして枕の隣にあった。
僕はやっと見つけた歓喜に、僕のいる世界も悪くないなと思って、安堵のため息をついた。