灼熱の恋
はるか遠い南の国で君と恋に落ちた
太陽が通わない北の地から来た僕は
この想いの消えゆく日など思いもせず
陽炎のただなかへ飛び込んだ
太陽が照りつけ 溶岩の吹き荒れるこの地で
赤い唇に柑橘の香水をなびかせた君を見た。
僕の目は灼熱の光線に射られたような気がして
君だけが光を放って見えるようになった。
火山の中に恍惚と飛び込んだ二人は
歓喜の灰となって溶岩に溶け合い
光に照らされながら 天へと登っていった。
伝説となった二人の魂は やがて永遠となった。
20/05/11 08:35更新 / 毛糸