ポエム
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朝の雨が自身の存在理由を求めて降っている。

僕は大きなあくびに包まれていた。

それから大きく息を吸って二回くしゃみをした。


それでも僕にふさわしいとは言ってもいいのかもしれない。

暗い霧が立ち込め 大粒の雨が降る今朝は

あたかも僕のための朝のようだ。


僕は今日も雨に向かって走る。

僕ならきっと雨に濡れずに駅にたどりつける。

それになんの意味があるかはわからなかった。


外に出て雨に濡れた僕に容赦なく落ちる雨も

自身の意味を求めて降っているのかもしれなかった。

僕の人生そのものと言う気がする。

駅についた僕は雨と自分を重ね合わせて

今度はくしゃみもあくびもしなかった。



20/05/23 06:51更新 / 毛糸



談話室



■作者メッセージ
雨の降る朝はいろいろ考えることがありますよね。

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