雨
朝の雨が自身の存在理由を求めて降っている。
僕は大きなあくびに包まれていた。
それから大きく息を吸って二回くしゃみをした。
それでも僕にふさわしいとは言ってもいいのかもしれない。
暗い霧が立ち込め 大粒の雨が降る今朝は
あたかも僕のための朝のようだ。
僕は今日も雨に向かって走る。
僕ならきっと雨に濡れずに駅にたどりつける。
それになんの意味があるかはわからなかった。
外に出て雨に濡れた僕に容赦なく落ちる雨も
自身の意味を求めて降っているのかもしれなかった。
僕の人生そのものと言う気がする。
駅についた僕は雨と自分を重ね合わせて
今度はくしゃみもあくびもしなかった。