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絶望の吹き飛ぶ恋




僕は瞬間ごとに絶望をみずから招き寄せていたのだった。

この状態こそが絶望そのものに他ならないと感じながら。

今日も僕は絶望と対峙して暗い道をとぼとぼと歩く。


僕を最初に絶望させたのはけっして君ではない。

けれども僕をふたたび絶望に落としたのは君の裏切りだった。

あの日の電話越しで流した涙は忘れないだろう。


僕はただちに絶望を解消しなくちゃいけない。

絶望に絶望しても最後に待ち受けているのは絶望だった。

そう思って僕は今日も夜の街をさまよい歩く。


さまよう夜の街で君の後ろ姿を見た気がした。

その瞬間 僕は大きく息を吸いこんで叫びたくなった。

そうだ!僕が対峙しなければいけないのは絶望ではなく

君の心変わりだったのかもしれない。

君の心が完全に僕から離れてしまう前に 話がしたい。

そして僕とやり直してくれないか?

絶望など吹き飛ぶような恋を もう一度したいんだ。


僕は進んでいた道と反対の道のりへ走って向かった。



20/05/21 06:12更新 / 毛糸



談話室



■作者メッセージ
このポエムの僕は死に至る病じゃなくて良かったと思います。

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