絶望の吹き飛ぶ恋
僕は瞬間ごとに絶望をみずから招き寄せていたのだった。
この状態こそが絶望そのものに他ならないと感じながら。
今日も僕は絶望と対峙して暗い道をとぼとぼと歩く。
僕を最初に絶望させたのはけっして君ではない。
けれども僕をふたたび絶望に落としたのは君の裏切りだった。
あの日の電話越しで流した涙は忘れないだろう。
僕はただちに絶望を解消しなくちゃいけない。
絶望に絶望しても最後に待ち受けているのは絶望だった。
そう思って僕は今日も夜の街をさまよい歩く。
さまよう夜の街で君の後ろ姿を見た気がした。
その瞬間 僕は大きく息を吸いこんで叫びたくなった。
そうだ!僕が対峙しなければいけないのは絶望ではなく
君の心変わりだったのかもしれない。
君の心が完全に僕から離れてしまう前に 話がしたい。
そして僕とやり直してくれないか?
絶望など吹き飛ぶような恋を もう一度したいんだ。
僕は進んでいた道と反対の道のりへ走って向かった。