ポエム
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光のある方へ



まだほの暗い朝の道をひとり歩いていた。

突然、遠くから太鼓の音が鳴りひびいた。

その大仰さにめまいがして僕を打ちのめした。

僕は両腕で頭を抱えながらその場でうずくまった。


気づくと僕は病院のベッドの上にいた。

緑の葉を茂らせる大きな木が窓から見えた。

僕もあの木のような偉大さを得たいと思った。

思いながらも僕は寝返りをうつだけだった。


友人のKが少しの光を持って見舞いに来た。

Kは僕を深い闇の中から救い出すと言った。

僕は窓から見える大樹のそばに行きたかった。

Kは僕の車椅子を押して連れていくと言った。


濃い緑の葉をつけた木のそばで一番上を見上げた。

その光景にくらっとした僕の心は天に昇った気がした。

僕の心に光が灯り 少しは偉大に近づいたと思った。

次の日に僕のめまいは治り、病院から去った。



少しずつ光の見えはじめた朝の道を歩いていた。

ふたたび遠くから太鼓の音が聞こえた。

めまいがしかけたが僕はそれを笑顔で受け止めた。

そして大きく手をふって光のある方へと歩き出した。



20/05/18 07:50更新 / 毛糸



談話室



■作者メッセージ
ストーリーとポエジーを両立させようと目論みました。

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