ポエム
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雪と幻
雪が降る町よ

くつろぐ屋根の下
時折
いたたまれず
吹雪く夜半に
あばら透けたる骨だけのユニコーンに
中年女が跨り、
彷徨いゆく

最果てを眼差して
白く凍った平原をゆく

どこにも行く当てど無いのか?

キリキリと切なくて
腹が空いて
恋しくて
探し求めて
雛ほどの狂気を労りなだめて

あぁ何が?
脇腹に傷を負っているかの、鈍い痛み
喪失よ
おまえは友のように私の影に棲む

持て余す生命の刻々よ

傷の痛みこそ生きるための真珠だった
磨かねばならない、
飲み込まねばならない硬い原石だった

傷つき、震え上がる心臓に
蔓草のように噛み込む生きる熱意を
熱く息吹きかけ
人生の棘やかどを取る

宿命に縛られて
断ち切り
起死回生するならば
私は私を抱くしかない

ユニコーンよ

おまえの角に明日の愛を祈り
手綱引く掌に汗を感ぜよ
そうやって吹雪に揉まれればいい

そして遠路を眺めては
幼い日の押しくら饅頭を思いだしたりして、
それは揺り籠、
微笑むのもいいだろう







26/01/06 06:31更新 / 湖湖

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