死んだ父とオトコ観
死んだ父はいわゆる三高で
身長183センチのハンサム
早稲田出のエリートサラリーマンで
バーバリーのコートに
カフス付き名前の刺繍付きの
三つ揃えを着た、
冗談の上手い
ひょうきんな伊達男だった
当然、娘の自慢の王子様だったのです
しかし、良妻賢母の母が虐げられ
家にはカネを入れないと思春期に知って
少女だった私の人生は壊れました
貧困スレスレののたうつような日常に
家族は不仲で会話も無く
暴力が渦を巻いている重さ
それはピンク色の鋼鉄の水槽の中のような
その中で父は皮膚病を発症して
家には皮膚の鱗屑が散らばり
不潔と憎しみが澱のように濁る、
そんな思春期を過ごし、
父に煩わされて30年でした
縁を切るように母を離婚させた私ですが
完璧には縁を切れなかった
晩年は一緒によく
安い旅行に連れ立ちました
母も父の病室に詰め
みんなで結局看取りました
菊池寛の放蕩の「父帰る」には反吐が出る、
そう語っていた19歳の私を忘れませんがね
娘の熱愛の父だったからこその
渾身の憎しみが分かるでしょうか?
何十年も憎しみながら、
棄てられず、
何度も傷つき、
呪い、死を願い、
助けを請われて走った記憶よ
今、好きな男がいます
私はため息をつき
その男の精彩とダメさを比較しては
お父さんを思い出すのです
身長183センチのハンサム
早稲田出のエリートサラリーマンで
バーバリーのコートに
カフス付き名前の刺繍付きの
三つ揃えを着た、
冗談の上手い
ひょうきんな伊達男だった
当然、娘の自慢の王子様だったのです
しかし、良妻賢母の母が虐げられ
家にはカネを入れないと思春期に知って
少女だった私の人生は壊れました
貧困スレスレののたうつような日常に
家族は不仲で会話も無く
暴力が渦を巻いている重さ
それはピンク色の鋼鉄の水槽の中のような
その中で父は皮膚病を発症して
家には皮膚の鱗屑が散らばり
不潔と憎しみが澱のように濁る、
そんな思春期を過ごし、
父に煩わされて30年でした
縁を切るように母を離婚させた私ですが
完璧には縁を切れなかった
晩年は一緒によく
安い旅行に連れ立ちました
母も父の病室に詰め
みんなで結局看取りました
菊池寛の放蕩の「父帰る」には反吐が出る、
そう語っていた19歳の私を忘れませんがね
娘の熱愛の父だったからこその
渾身の憎しみが分かるでしょうか?
何十年も憎しみながら、
棄てられず、
何度も傷つき、
呪い、死を願い、
助けを請われて走った記憶よ
今、好きな男がいます
私はため息をつき
その男の精彩とダメさを比較しては
お父さんを思い出すのです
25/12/17 01:51更新 / 湖湖