大福よ
おまえはなんておいしそう
ふくふくの白い肌
しょっぱい黒豆がゴロゴロ
甘あいあんこ！

おまえは絵に描いた餅！

絵に描いた大福の前で
1人の女が悩んでいます

そっとお財布と睨めっこして

女は大福の絵の前に
摘んだ花を飾りました
まるでお祝いごとのように

そして踊り始めました
大福ダンスです

そして即興で
大福の歌を作って
大きな声で歌います

大福！大福！
我が愛〜

絵に描いた餅よ

夜になると女は大福の夢を見ます
大福が甘ったるい匂いをさせて
瞬く間に変身して
ねやに忍び込んで来るのです

嗚呼
夢の逢瀬よ

しかしこれは夢なのです
大福を迎えるには
実は、何としても緑茶が必要です
しかし
女の家の茶壺は空っぽなのです

そしてそれは政治のせいです

しこうして、
女の枕はヨダレの痕でいっぱいです
涙の水溜まりのように