冬よ来い
凍える冬よ
来い
木枯らしに巻かれて
廻るドライフラワーになるのだ
カサカサと揺れて
幽霊になり
あなたの耳元に無念を囁く
あぁ
あなたは決して私を愛さなかった
カサカサ………
カサカサ………
呪詛を聞き取るのは
水死体の良心だから
戦争はがらんどうの孤独で
それも大したことじゃない
正義がなされない歴史に
君は銃を選ぶかい?
哀しみは歌うたいの孤児となれ
この地球が爛れた山火事で
皮膚病のように見えても
さあ
獣の王が立ち上がる前に君よ
せめて木魚を打て
あの幼かった夏の晴れ晴れしい朝に
撒いた玄関の打ち水を悼んで
25/10/06 21:38更新 / 湖湖