ポエム
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パチンコ人生
昔、
設計事務所に勤めていた
社長が無頼で、
呑む、打つ、しかし買わない、
のなかなかの好男児で
若かった私を可愛がってくれた
競馬にパチンコ、高級料理屋と
連れ回してくれ
私もギャンブルを覚えた
社長はよくぱあっと万馬券を当てる、
頭の冴えた人情の厚い、
苦労人上がりの人だった

人の縁が切れパチンコの癖だけが残った

パチンコは当たりを待つゲームだ
当たる気配のリーチに期待し、
演出に思い膨れ、
数字が揃うのを熱狂する
赤!
赤のゾロ目の刺激!
777!

それは人生よりは結構に当たるのだ

大音量の音楽と色の洪水に
アドレナリンが吹き出す一時を待つ蛇の心よ
当たるエクスタシーは成功体験の感覚的なモドキ料理だ

仕事での成功や
宝島を当てたような興奮の錯覚や
恋愛やセックスの成就の代わりに
感覚だけのご馳走の依存症なのだ
それは安い

モドキ料理の悲しみよ

そして財布には高い
寂しい人たちなのかもしれない
取り憑かれた貧しい人達の群れ

それが蔑称パチンカスだ







25/09/26 23:09更新 / 湖湖

■作者メッセージ
私はフランソワーズ・サガンや色川武大を若い頃から愛してるので、
ギャンブル好きにそこまで引け目はなかったのですが、身を持ち崩してしまうのはダメですね。
タバコも大好きですがなんとか辞めました。
ギャンブルも辞めたいけど今のところ無理かも。
ハイスタにならない限りは。

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