アサガオ
ふとアサガオを思い出した
あれは小学生の涼しい夏の朝だ
私はレモンイエローのお気に入りのワンピースを着て
朝日新聞を小学校の脇の理科室の
ヒンヤリとした、
コンクリートの台に座って読んでいた
周りにはアサガオの鉢が紫や水色に咲いていた
すると、向かいの家から
男の声で
「おはよう!」
と聞こえた
見あげれば二階の窓におじさんが立っていた
「これ知っているか?」
そう言うと、おじさんは
前の当たりをブルン、といじった
パンツを履いていなかった
ブルブル震える心を隠して
目が悪いからよく見えません、
とのような言い訳をして
私はそこを立ち去った
もうそこには行けなくなった
アサガオを見るとその残念な記憶を思い出す
朝の一瞬に咲くいじましいアサガオよ
私の健康で愛おしい子供時代よ
アサガオに罪は無い
無邪気に咲き
束の間を精一杯に歌うおまえよ
あれは小学生の涼しい夏の朝だ
私はレモンイエローのお気に入りのワンピースを着て
朝日新聞を小学校の脇の理科室の
ヒンヤリとした、
コンクリートの台に座って読んでいた
周りにはアサガオの鉢が紫や水色に咲いていた
すると、向かいの家から
男の声で
「おはよう!」
と聞こえた
見あげれば二階の窓におじさんが立っていた
「これ知っているか?」
そう言うと、おじさんは
前の当たりをブルン、といじった
パンツを履いていなかった
ブルブル震える心を隠して
目が悪いからよく見えません、
とのような言い訳をして
私はそこを立ち去った
もうそこには行けなくなった
アサガオを見るとその残念な記憶を思い出す
朝の一瞬に咲くいじましいアサガオよ
私の健康で愛おしい子供時代よ
アサガオに罪は無い
無邪気に咲き
束の間を精一杯に歌うおまえよ
25/08/18 22:02更新 / 湖湖