ポエム
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野菜のように猫のように
昔、父は言ったものだ
「お前の友達はアウトローばかりだな」

若い頃はナイーブながらも冒険女だったが
病を得て怖さや苦しみの底知らずを知り
臆病にもなったが
安楽や何も起こらない平和を
有難くしんみり喜ぶようになった

赤ちゃんの頃に体が弱かった我が愛猫は
とてもナイーブで弱々しく
綿棒や小さな蜘蛛がおもちゃにちょうどいい
庭に出しても風も怖いし
暑すぎても怖いし
雨でも家に逃げ帰る
ホロリ、涙ぐましいナイーブだ

それが理にかなったナイーブということ
等身大の己を知った賢さだ

今年の暑さで野菜が穏やかじゃない
シシトウは暑さに反応して
食べられないほど辛くなった
辛い環境でグレる不良少年のように
過酷な経験がしばしば毒舌家を作るように

自己防衛で毒を持つカラフルな蛇やカエル
危険を知らせる黄色と黒の蜂たち

皆、一生懸命に生きようとしている
そう思えば耐え難い悪人にも一抹の憐憫が宿る

でも毒のあるものよりも
鰐やサメや獰猛な肉食獣より
鳥やリスや金魚だな

人だって核武装はどうだろう
銃社会になるのすら
徴兵制すら私は嫌だよ
家に護身用の武器は置いている?
あぁ、安全で美しい楽園に住みたいね
きっと分け合わなきゃいけないんだ

鶏やブタや牛を喰らえど
無益な殺生と残酷はいけないと感じる

生き物は愛おしい
和音が聴こえたならもう孤独じゃない
地球は森羅万象の交響曲で膨らんでいく

もっと平和を
忌まわしい処々を
あなたの、私の、
正しい願いが掃除するのだ



















25/08/12 19:10更新 / 湖湖

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