ポエム
[TOP]
白猫はかつて旅をした
不思議な旅よ

白猫は新しい土地や
異国の人に会うのが好きだった
ギラギラした灼熱の太陽の下
土地は草が煮え
人が煮えていた

白猫は旅先の人々に可愛がられた
白猫は愛想が良く
出会う世界を愛する懸命さがあった
そして白猫は若く美しかったから

白猫はかぎしっぽで
右目が青く、
左目が黄色かった

月を愛するイスラムの人に
月の涙という意味の
ノルミナ
という名前を貰った

ミルクを貰った時
唇に震える白い雫を
ほう、と溜息をつきながら
コマ割りのフィルムのように
見つめてくれる男もいた
白猫は若く美しかった

失われし年月よ
笑い声と微笑みが
乱舞する幾羽の蝶となり
白猫の脳裏に幻する

美しい旅よ
刃物の縁を歩くように
キャットウォークの光よ





25/08/02 01:30更新 / 湖湖

TOP | 感想 | メール登録


まろやか投稿小説ぐれーと Ver2.35c