伏せた秘密を洗濯しよう
洗い流して忘れよう
汚穢の浮世に

思いの檻よ
思いの暖炉よ
思いの水源地よ

私は極楽トンボなの
そんな風に笑って見せたかった

美や愛や菫や星しか
席を作りたく無かった

私は泣き顔をしたくなくて
オカメになろうか

川の源流に住まい
清らかに微笑み

人を愛そうとするならば
濁りも飲みこみ
大河になる意志と努力と
明るく強い心が要るだろう

川が使命を背負い
雨を集めて流れては太く
ゆるり、滔々と往く

少女が父親に王子様を見るように
戦場の看護師が天使に見えたように
川面から竜が飛び出し天空を目指す

まあでもいいさ
私は一粒の砂であり
水源であり
大河を夢見ながら微睡む
それでいて
水に乾いた
岸辺の子鹿でもある

魔女が箒に跨るように
恋人の腰を抱くように
川を聴いている