ポエム
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おばあさん
いつもよく駅で見かけるおばあさんがいる
デパートのエレベーターの前にいつも
地べたに座り込んでボーッとしている
多分、認知症の徘徊でいつもそこにたどり着くのだ
暑い中何時間もいる様子で
喉もカラカラなんじゃないか、
いつも気にはなっていた
今日は夜になってもまだいらしたので
近くのスーパーでマンゴー烏龍茶を買い
おばあさんに届けた
開けられないかなと思い、
「おばあさん、ハイ」と
ペットボトルの蓋を開けて渡した
おばあさんはサッと受け取った
「元気でね」
そう言って私はつい早々に切り上げて立ち去った
それ以上はちょっとしてあげられないかな、と
多分、親族の人がいつも迎えに来るのだろう、と
役所に連絡する手もあるのだろうが
おばあさん、閉じ込められちゃうかもな、と
出歩ける方が幸せかもな、などと思った
でも脱水症状になるのはマズイね
自分もいつかおばあさんのようになるかもなあ
そう想像すると檻みたいなのは嫌だ
誰か助けてくれる、
仲間に入れてくれる社会や仕組み、
世の中だといいね
そう思った






25/07/20 22:21更新 / 湖湖

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