ポエム
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母をもてなす
母をもてなすと満足する
ささやかな酒宴を催す
今夜はお父さんが好きだった、
越乃寒梅を夏らしく冷酒で

よく憎まれ口を聞く割に
いつもペラペラおしゃべりしている

母は父に苦しめられ
その中で賢母として
懸命に子どもたちを育ててくれたから

途中で弱さを見せた母も
子どもたちにとっては不憫で
そして子どもたちも不憫であった

女であることと母であることが相克するとき
間に挟まれた子どもは気まずく不幸を見やすい
それを理解してあげられるのは
だいぶん大人になってからだ
子どもも親も幸せになる作法や考え方が必要だった
それは男女同権の社会構造とか
会話でちゃんと解決していく指針を持つことだったりする

私は若い頃からとても孤独で
遺伝病と病気の家庭内感染を恐れ
そして死を願うほど父を憎んでいた
そこに人生をたっぷり使ってしまった
家族の愛憎、捨てられなかった零落の父
我が人生を残念に思う
すると大概は黙ることが安らぎなのだ
愛や理解は稀なものだから








25/06/28 19:02更新 / 湖湖



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