ポエム
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壁の花
安い壁に私の熱意が呑み込まれていく
私は14年も闘った
今は寝込んだり闇に溺れたりして
青息吐息だけれども
最期には空(くう)を抱き
無一文、無一物で負けるのか?
人間疎外の誰もいない箱の中の岸辺に
声だけが木霊する
名前の無いカモメが飢えて飛び交い
私を憐憫するか、揶揄するか
去るものは追わず
しかし家は燃えたが
誰も来なかった
私は瓦礫の消し炭で字を書いている
無念が狼煙か声明(しょうみょう)か
神はいない





25/05/24 09:55更新 / 湖湖



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