私の可愛い猫はマリンという名前です
私は森に佇まい
幻のように潮騒を聴く
海という永遠の恋人を思い名付けました

マリンは子供の頃から体が弱く
それもあってとても臆病です
自分の吐いた毛玉に飛び上がったり
綿棒に驚いたりしています

庭に紐で繋いで出してやると
とても慎重にじーっとして辺りを観察しています

鳥たちの鳴き声に目をしばたかせ
草の香りに心を揺さぶられ
空をゆく飛行機に色めき立ち

しかし、隣の家から稀に野良猫が来たのです
それ以来、マリンは自然よりも
境界線のところにスタンバって
無言で一生懸命に野良猫が来るのを待っているのです

ああ、何よりもお友達が欲しいんだね
私はマリンの待つ丸い背中に切なくなります

人間だって猫だって同じだよね
愛し合いたいのだ
泣いちゃうよ私の可愛いマリン