ロマン
満月は満ちてロマン、ロマン、ロマン
熟れて腐り落ちる寸前の桃が
かぐわしく透明にとぐろを巻いている
温かい湯船に首までヒタヒタに浸かって
記憶のしゃぼんを泡立てる夜
水飛沫、シャワーで芥を流せば
夢と現実がシャッフルする
出汁をたっぷり吸った高野豆腐の重さに
欲情の比重を測れば満貫で満願たれ
灯る目蓋
揺れる海藻の長い髪
海底の宴は楽園を模して
時は燃えて蝋燭は震える
貝は眠り、魘され、震えて
快楽を追いかけた
何度も死ねば再び生まれることが出来ると
あの潮騒に満ちた波から学んで
海が素晴らしいのは
二枚貝が困難の石を呑んで
幾年を生き延びて
その尖った石の痛みを真珠にかえるからです
そんな真珠を私は愛と呼びたい
そんなロマンをいかがでしょう
熟れて腐り落ちる寸前の桃が
かぐわしく透明にとぐろを巻いている
温かい湯船に首までヒタヒタに浸かって
記憶のしゃぼんを泡立てる夜
水飛沫、シャワーで芥を流せば
夢と現実がシャッフルする
出汁をたっぷり吸った高野豆腐の重さに
欲情の比重を測れば満貫で満願たれ
灯る目蓋
揺れる海藻の長い髪
海底の宴は楽園を模して
時は燃えて蝋燭は震える
貝は眠り、魘され、震えて
快楽を追いかけた
何度も死ねば再び生まれることが出来ると
あの潮騒に満ちた波から学んで
海が素晴らしいのは
二枚貝が困難の石を呑んで
幾年を生き延びて
その尖った石の痛みを真珠にかえるからです
そんな真珠を私は愛と呼びたい
そんなロマンをいかがでしょう