片想いの樹
片想いの樹というのがある
その樹はグラスハウスの中に立っている
温室の温かさに果実がたわわに実る
私はその果実が欲しくて
喉もカラカラだ
すると移動販売車のジューススタンドが現れる
黄色い帽子を被った猿がかいがいしく
ジュースを搾りながら言う
「一杯、あなたの命の値段です
分割払いでいいですよ」
「そのジュースはあの果実なの?」
「それは味わって判断して下さい」
片想いの樹は黙っているが
私が鳥だと知っている
だから実ったのだ
鳥を労働者にするために
恋という無賃労働で回る水車があるそうだ
猿は有能な密売人なのだ
その樹はグラスハウスの中に立っている
温室の温かさに果実がたわわに実る
私はその果実が欲しくて
喉もカラカラだ
すると移動販売車のジューススタンドが現れる
黄色い帽子を被った猿がかいがいしく
ジュースを搾りながら言う
「一杯、あなたの命の値段です
分割払いでいいですよ」
「そのジュースはあの果実なの?」
「それは味わって判断して下さい」
片想いの樹は黙っているが
私が鳥だと知っている
だから実ったのだ
鳥を労働者にするために
恋という無賃労働で回る水車があるそうだ
猿は有能な密売人なのだ